次の写真はOxxxxxxS xxxxxx0iの応用実験の為に調整を行っているものです
画面左が医療用超音波装置HS-1500,右がOxxxx xxxxx0iの5MHzフェーズドアレイ方式に音響レンズ無しの工業用装置で、これからマグロを観察するための下準備中の状況です
音響インピーダンスに非常に差のある境界を透過した微弱なミカンの存在を描出している。内部で起こる缶表面の多重反射アーチファクトが比較的軽微であり、缶の形状によるものか、装置のフィルター機能なのかは解明はなされていない。
類似する方法にてトマトの缶詰のHS-1500装置5MHz超音波像
内部のエコー信号は読み取れない、缶表面とプローブ表面との密着の悪さで多重反射が全層に認められる。鱗の分厚い魚や殻の硬いイセエビや蟹等も検査観察時にこのような現象が生じている。
反対側のアルミパック面の反射信号を認める、内部性状観察困難、ダイナミックテストにて内部の物質の流動性の観察はできた。
ペットボトルにサラダ油と水を入れて境界面像
水の音速と減衰定数(透過性)がわかる
中央の境界面の平面像
バブルの形状で水と判定
漬けたれはエコージーニック、烏賊の身は低エコー均一で面積計算により重量当たりの正身量がわかる。
紅ショウガ
べったら漬け
しらたきの超音波像
マグロ焼け実験
上腕二頭筋収縮(力瘤)上腕筋伸展超音波像
収縮は筋細胞が密になり低エコー均一及び透過性の促進を示す
伸展は筋細胞は疎になり収縮時に比べて高エコー粗雑不均一で観察される
屈伸運動を行いながらリアルタイム観察すると筋肉の伸縮領域とその加減の判断ができる。うっ血の場合もこのように観察されることが多く、また内出血の場合にはエコーフリースペースの出現が見られる事が多かった。
OLIMPUS社技術部EPOCH1000iでのこんにゃく検査
OLIMPUS社技術部でのミカン缶詰実験 2009年11月10日時点の報告書としてご報告申し上げます。明日にはこの記載内容が大幅に改正されている可能性はあります。研究が続く限り!
考察
本船マグロにおける氷蔵保存(0℃海水)の場合キハダマグロの生食可能日数は5週間であり、よって流通期間を2週間として操業日数は3週間以下と計算されている。(文献1)数週間経過したマグロの品質が日帰りまたは数日操業のマグロより評価は高い。
私の調査研究を行っているセリ場(漁協元卸業者)に水揚げされるマグロは氷蔵保存の日帰りまたは数日操業のマグロが多くを占めている。特徴として身は生きた状態の高い鮮度を有しており時には捌くときに刺激により身が伸縮痙攣をおこすほど釣りあげてからセリに出る時間が短い。これは身の鮮度の高さとしてはブランド性が非常に高いものと察する。品質評価としてはあまり高くなく焼けが多く長期保存困難と考えられており水揚げ時から数日が生食可能日数とされている。それが何故なのか超音波非破壊検査を行いながら調査した結果、確立された近海マグロの処理方法が普及していないか、構築されていない事に限る。同じ海域で同じマグロを釣り上げて品質に差がある事は処理技術の差に限ると考えられる。釣り方が違うという評があるが処理技術の適応性の小型船舶であるがための設備搭載不可能や処理技術未熟さであり釣り方が変わればおのずとそれに応じた最適な処理工程も存在すると考えられる。
超音波検査データからはじき出された結果として、最も多い品質劣化の所見として血合いスジの乱れや筋隔のただれ剥離状所見が多く、血抜き処理の不適切や不必要に暴れさせたと思われる観察結果を示しており、生き締めの精度が低い状況を示唆する。理論的な手順の精度は高くない、また実際に自分の釣り上げたマグロを外見でしか判断できない状況が処理技術向上の妨げになっている。仲卸業者の口癖にマグロは開けてみないとわからないと言われることがある。これは外見で品質は判断できないということを示している事になる。傾向として技量の高い漁師のマグロの評価は高い。しかし漁師の感と経験量は個々の感性に依存し理論的に構築され立証された技術の実行性は高いとは言えない、それがもっとも品質の向上処理技術の発展進歩の遅れを招いている。最も重要なのが血抜き処理であり興奮して心拍の上がったマグロは血液の圧をあげ体内に送る特に血合い筋に多くそそがれ血合い筋は熱発生する(焼けは血合い周囲を取り囲むように見られる観察結果からその機能は理解できる。臨界温度はおよそ45℃ではないかと考える)また血液は流れが止まると凝固し始め、そして溶血すると身質に浸透しやすくなる→細菌増殖→腐敗へと急速に進行する。次に暴れさせない為の締めの処理となる特に血液の流動性が高い状態を維持しつつ暴れさせない処理であり脳をつぶしても脊椎神経の反応で暴れる。暴れると脊椎特にナカ近辺の高速折れ曲がり運動によって熱を発生する。これは血合い筋のように生理的調節機能は働かない物理的熱エネルギーなので上昇温度は暴れたスピード×時間に比例し臨界点は持たない80℃の温度上昇を認めたとの報告もある。実際に脊椎接触部に強い焼けを認める。(この場合超音波観察上脊椎前方エコーの出現と明らかな高エコー粗雑領域変化を認める。ツナ缶レベルまで達すると超音波透過は0になり無エコークリアーに観察される)現在焼けを無くすことは不可能とされており焼けマグロは存在し、しかし対策及び後処理により品質を向上させる方法が存在することが実験により見出された。流通経路における処理技術はどのような品質レベルのマグロであっても処理や保管、流通方法は旧来の方式と変化はない。まだ身の生きている状態の近海マグロは後処理によっても十分品質向上可能と考える。私の後処理にて最も品質向上結果を示したのは、海洋深層水を外面皮膚などに散布し牛などの保存管理法のように主要血管を切り開き、つりさげエアーブラスト冷蔵マイナス5℃で保管による脱血テストをおこなった結果表皮は均一に乾燥しそれに伴って収縮し、結果絞り出す作用も働き重力によって不要な水分や血液の滴下抜き処理が行え品質向上結果を得た、品質向上の観察結果として捌いた直後の身質割面はルビー色の暗褐色状態で、次第に明るい透明感のあるアメジスト色の明るい朱色に変化しマイナス5度ラップ包装環境において24時間維持し色合いの変化とドリップの流出は認めなかった、さらに0℃ロイン保管3日においてドリップの流出は無く、異臭も感じられなかった。これらの実験より水揚げ後でも後処理で品質向上を行うことは可能である。品質の高いものにこのような処理を行うと無意味な時間経過による計時劣化が起こり商品価値を引き起こす可能性がある。それを見極めるために超音波で内部身質を非破壊的に観察し選別することは重要とかんがえられる。いずれ規制も入りマグロ水揚げ激減する時代が来ると予想されるので将来的に少ないマグロを損失なく品質安定維持しかつ冷凍ではない生マグロを多く提供する技術及び流通連携は早急に構築を取り組む必要性がある。そのため超音波非破壊検査は必要であり誰でも使用可能なOLYMPUS1000iの検査判定方法の構築は急務となってくる。
まとめ
私は超音波装置を利用したマグロの非破壊検査を2003年より開始した、2004年に株式会社琉球光和、コニカミノルタ沖縄営業所、沖縄県水産試験場、港川漁業協同組合の協力による実験により得られたデータより有効性が示され、その成果を沖縄県職員提案に提出し最優秀賞を得た、当時の知事はすぐに実用化に向けて取り組むとの発表がなされた。その後も研究は続け、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター放射線主任技師職を退職し2007年4月よりマグロの研究に取り組むことで現在の領域に達する事が出来た。これは多くの方々のご協力でつくりあげたものであり、株式会社マルサン及び糸満漁協には多大なる助言、指導、ご協力をいただいた。
1. これまでの成果を見据えて
今まで見えなかった領域のマグロの身質を見て品質を評価する事は非常に良い結果をもたらす事は事実である。しかしながら評価する技術が進歩しても、それに付随する後処理技術の構築を並行して行わなければ、結果はある一部の特定者に大きな利益をもたらして非特定者は多くの不利益者を作る大きなリスクを秘めている。沖縄近海のマグロ漁の主役は小型船舶に乗組員数人程度であり装備も本船のような設備はされていない。課題となる本船マグロレベルの処理は困難である。そのため水揚げ時のマグロの評価は上がらない、しかし本船と同じ冷蔵方法を行っている。私の提案として漁師の方々には必要最小限の重要処理として暴れさせないで取り込み、保存ランブルの水質に十分配慮した塩分濃度と酸素分圧そして身を生き続けさせる水温管理に徹してもらい、残った処理は水揚げ時に陸上で待機している私たちが処理を敏速に行うことにより本船レベル以上の品質改善効果は見込めると考える。処理を完了してからセリ出しする事がタイムロスではなく鮮度維持時間延長と品質向上の両者を図ることができる。それは漁師と連携の取れる私たちの行う業務改善である。改善した品質を次なる連携網に提供する事も私たちの解決すべき重要な課題である。ちなみに本船マ
グロを時々使用する、ここ最近は頻度が増えつつあり品質は決して良いとは言えない、色合いは均一で美しい、身は柔らかく均一な軟化傾向を示し、脊椎周囲の身はジェリーミートが多く慎重に包丁を入れないと身崩れを起こしてしまうものが比較的多い、超音波観察上では焼けと見る所見を呈している。色合いは良いが味覚は無い。旨味も感じられない、しかし一般の方々は色合いで美味しく感じるらしく目隠しした場合は逆に日帰り操業の焼けマグロがおいしいと判定する傾向を示した。色合いも味覚のうちに入るのがマグロである。鮮明な朱色、それが自然の発色であれば味覚もよいはずであるが、本船マグロにおいても新た技術開発は急務ではないかと察する。技術開発は日々進歩しており昨日まで不可能な技術が今日は確立されているのが時世の流れであり進歩していく技術を利用するためには知識自体も上乗せしていかなければならない。周囲に後れを取らない為にもたゆまない広域の知識(先行する業務技術の収集、全く関係のない他の類似技術への関心)の収集は永遠に続いていく。ある程度の知識と技術を伴った経験領域を超えると横につながりだす。医療現場において超音波検査士は不足している。そのため食品関係にその技術および知識を備えた技術者に検査を依頼する事は困難である。食品関係の技術者を育成していかなければこの研究は意味をなさない。誰でも使用可能なEPOCH1000iでの検査方法確立は絶対的に必要となる。高く売る品質改良ではなく、高く買っても納得のいく品質を維持する技術を身につけていかなければ私たちは自然消滅し、外食産業に食の主流を取られ、日本食をいずれ輸入する時代になるかもしれない。実際にその傾向は始まっている。なぜなら外国との取引に利益率が良くなってきている傾向を示しだした。マグロを輸出し始めているのである。
最後の本音
私の超音波目利きデータと、実際の開けた評価と一致しないのが現状である。前者は科学的でありながら歴史はない、後者は歴史は長いが第三者の納得する根拠に正確性は高くなく理論的に乏しい。マグロは開けてみないとわからないと言われる現在の評価方法、言い逃れにすぎないと断言する。従来の感性で作業を引きずっていくと将来性は無い。マグロも激減し規制が入ってきた現在に生き残る道は新たなる展開が必要であり、古臭い宗教的な概念を捨て去ってから未来が始まると私は考える。自然界で生き残ってきたマグロはそれぞれ、その個性があり、その個性を評価してそれを望む消費者の要望に応じた処理技術で対応可能であるものと確証を得てきた。どこでだれが変革しなければならないのか、それは生産、流通、消費者すべての方々が進歩、改変しなければこれから到来する不景気の状況には生き残れない。誰かが倒れると連鎖的に一気に壊滅状態の危機に陥る寸前である。マグロに限らずすべての消費流通は回りまわって最終的にあなた自身に影響を及ぼす。消費のみならず自身の生活基盤をもその影響は加速的に大きくなる方向に現在の不況は進行している。これから必要な事は窮地に陥る前の見極めと対策を個人レベルで行う必要があり、これまでつながりのなかった連携網の連携及び情報交換、共同開発などが未来につながる最初の業務と考える。景気が落ち着いてから競争を仕掛けても遅くないと私は考える。マグロのデフレスパイラルは世界流通規模で考えたらあり得ないと示唆する。新しいエネルギー源の養殖マグロは天然ものとは異なる品種である。それだけは明言できる。