血管模型作成の意図
人体の血管走行はバリエーションが豊富で全く同じ走行は無いに等しいぐらいの確立です。しかし、臓器に対しての循環血流量は個人差は軽微でほぼ基本的な数値であることを念頭に入れて、作り上げた模型を参考に、人体の内部構造の観察のナビゲーションとして利用していただくためのものです。
消化管領域の臓器位置関係と血流路の基本を理解する。=基本的な循環が滞る所見を見つける、つまり血管径の拡張や萎縮など、そして周囲の変化側副血行路の開通および方向、またはトランスフォーメーション(代替え)など人体の適応機能を理解するのに役立ちます。また人体の機能は完全装備ではなく、適応機能が作動しにくい、または機能が届かない領域も数か所あり、その領域の異常の場合はその領域の支配血管の循環を観察することで見えない部分が見えてくるようになります。
以下模型作りテキスト
準備するもの
園芸用アルミワイヤー、
テープ(造花用テープが良い、4色:ない時は荷造りビニール紐)
紙粘土又は発泡スチロール
ニッパーや両面テープ等
設計図と作り方PDF
アルミワイヤーの加工方法心臓血管模型作り動画を参照
設計図に合わせて配置、カット、テープ巻き
臓器位置関係を確認しながら組み合わせます
マーキングしたら肉付けテープ巻きを行い血管に類似する表面の形状に仕上げていきます。
テープの素材は造花のフローラテープを使うと簡単です。
フローラテープの代わりに病院や薬局で販売している紙バンでもよい
テープ巻きが完了したら表面に水性透明ニスを塗ってコーティングします。
油性のニスやラッカーペイントは柔軟性がないので折り曲げ加工の時割れてはがれます。
胆嚢の作成は少しだけアレンジします
胆嚢管部分を長さ5mmぐらい取り、胆嚢を作ります
心材は発泡スチロールである程度の型取りしたものを使い
ワイヤーで形状を微調整します。両面テープで表面に下地巻きして作り上げます
各パーツのテープ巻きが完成しました
動脈と静脈を合わせます
ポイントは腎臓血管を合わせます
左腎静脈は上腸間膜動脈と下大動脈の間を走行します
右腎動脈は下大静脈の背側を走行します
門脈を合わせます。上腸間膜動脈と脾動脈に合わせます。
門脈の走行と肝静脈との位置関係を考慮して、分岐の走行を調整します。S2とS3の位置関係が間違っていますので正しく治します
3管合流部を基本に胆道を合わせます
総胆管は逆くの字走行です
胆嚢管は総胆管右背側より分岐していることが多い
胆嚢は中肝静脈に沿って配置します
現在乾燥中の模型:冬は塗料の臭いが消えるまで30日ぐらいかかります
油性の臭いがすると宅配便で送れないことあります。
次回からは水性ボンドに色素を混ぜてコーティングする方法を採用
水性に変えて出荷したもの
重要なポイント
3管合流部特に胆嚢頸部位置での門脈胆管の並走と右肝動脈の穿通
上腸間膜動脈と下大動脈の間を穿通する左腎静脈の配置
下大静脈背側を穿通する右腎動脈の配置