1XTV-BE検査について 全文PDF資料はこちら下部消化管XTV.pdf
大腸エックス線バリウム二重造影検査の手技は難しく匠の技と腸管空間把握イメージング、そして検者の状態や協力の複合により出来上がった写真の精度を表します。基本的に放射線技師は出来上がった写真で評価されますのですべての表現は写真に託します。それが技師としての匠の技となり検者の状態や協力をスムースに得る事も看護師さん等の周囲の連携を取ることも匠の技となります。これらを踏まえて大腸エックス線検査手技のノウハウを紹介いたします。
2 バリウムの調合ノウハウ
a バリトゲンゾル350㏄+水道水150+消泡液 2 ㏄で調合し使用する.ネットワークパターンの描出は良好でひび割れ現象が起きる迄の時間は平均15分ぐらいである.
b 水の代わりに5%ブドウ糖を50㏄添加するとひび割れ現象を平均30分までのばせる.検査時間30分ぐらいの人に使用。ネットワークパターンの描出が悪くなる
c 水の代わりに20%ブドウ糖を20㏄添加すると1時間以上ひび割れを押さえる事が出来る.しかしネットワークパターンの描出は困難
d cの調合にさらにUGI用バリウムを50㌘ぐらい添加して使う.大まかに診断するときに有効
3 検査準備ノウハウ
a 検査開始前に透視でひととおり腹部の状態を確認する
b 腹部の状態に応じて使用バリウムの調合を考える
c 検査目的と患者の状態に応じて撮影順番や検査方法を考える
4 検査開始ノウハウ
a 患者の状態が良く前処置も充分な時はバリウムaの調合でルーチン撮影
b 患者の状態が良く前処置が悪い時はbの調合でルーチン撮影
c 患者の状態が悪く前処置が良い時はbの調合で目的に応じた撮影
d 患者の状態が悪く前処置も悪い時はcまたはdの調合でそれなりに撮影
e 前処置が非常に悪い時,または前処置を行って無いときは検査中止。そ
れでも検査を行わないといけない時はバリウム使用量を1000㏄ぐらいにし
て洗腸する要領でバリウムを送り込む。検査終了後はバリウムを排出する
備考:前処置の状況をどのように判断するかは?
1 何回トイレに行ったか
2 透視で注入前に腹部全体のガス像を確認する。
前処置 A トイレに行った回数が多く朝にはほとんど何も出ない状態ー大腸ガスなし
B 朝まで水様便がたくさん出ていたー上行結腸と回腸にガス像を認める
C 朝まで固形便がでたーS状結腸部の便陰影像
D 前処置をちゃんと行ったがすこししか便が出ていないー大腸全体のガ
スと便
E 前処置していないー大腸ガスなしまたは大腸全体のガスと便