宇宙空間での長期滞在が不可欠となる。

「今回の研究を行うまで、宇宙飛行が肝臓に及ぼす影響に関しては、実際にあまりよく分かっていなかった」「宇宙飛行士らが糖尿病のような症状を抱えて帰還する場合が多いことは知られていたが、こうした症状は通常、すぐに消えていた」と述べた。

 今回、研究対象となったマウスは、2011年に打ち上げられたスペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」の船内で13日半を過ごした。

 研究チームは、マウスが地球に戻った直後の調査で、肝臓の瘢痕(はんこん)化と長期にわたる臓器障害を引き起こす恐れのある細胞が、宇宙飛行によって誘発されている可能性があることを突き止めた。

 具体的には、マウスの肝臓で、脂肪の蓄積量の増加と、動物の体内でビタミンAの働きをする化合物であるレチノールの減少がみられた。