深刻な病気や死の宣告をもたらしていたはずの遺伝子変異がある人が

単一遺伝子の特異的変異に関連する「嚢胞(のうほう)性線維症」や他の数十に及ぶ希少難治性疾患の治療法開発に向けた新たな道を開くものだ。これらのいわゆる「メンデル突然変異」(19世紀の近代遺伝学の創始者にちなんでこう呼ばれる)が一つでもあると病気の発症は避けられないというのがこれまでの医学の定説だった。

 今回の研究を主導した米マウントサイナイ・アイカーン医科大学(Icahn School of Medicine at Mount Sinai)のエリック・シャット(Eric Schadt)教授は「大半のゲノム研究は病気の原因の発見に重点的に取り組んでいるが、われわれは何が人を健康に保つかということの解明に大きなチャンスを見出している」と話す。シャット教授は声明で「数百万年に及ぶ進化は、われわれの現在の理解をはるかに超える防御機構を形成してきた」と述べた。